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活動A:デジタルアーカイブ化

  • 活動日程:7月18日〜22日(5日間)
  • 活動場所:岩手県遠野市の市役所
  • 参加学生人数:13名(経営工学・化学工学・物性物理・価値システム・計算工学等の学生)

 学生13名が7月18日から22日の5日間、 岩手県遠野市の市役所で,震災発生時から7月までの震災に関する行政文書のデジタルアーカイブ化に向けた作業を行いました. デジタルアーカイブ化という作業は,震災時の状況の整理・把握に役立ち,さらに今後の活用に繋ぐことができます. 実質作業は3日間でしたが,約2500枚の行政文書をデジタル化することができました。


活動の背景

■ なぜ遠野市市役所での活動なのか? 〜遠野市と後方支援都市の役割〜

 遠野市は支援活動の中心となっており,その背景には次のことが挙げられます.

  • 沿岸部・主要都市からのアクセスが良い
  • 未曽有の震災を想定した訓練をしていた

 遠野市は比較的内陸部に位置しており,津波の被害が大きかった沿岸部の大船渡市や陸前高田市から 車で1時間程度と非常にアクセスが良いため,支援活動の拠点となりました.

 このような地理的な特徴から,今回の大震災が起こる以前より震災時に遠野市を災害本部の拠点にする策を立てており,  そのための準備を行ってきました.  また,津波を想定した自衛隊との合同演習も行ってきました.

 したがって,震災当時の遠野市の動きは非常に優秀なものであり,  その記録をデジタルアーカイブ化することで将来的な有効利用が見込めます.


デジタルアーカイブ化の内容と実績

デジタルアーカイブ化の作業の内容は大きく分けて3つあります.

  • 震災に関する行政文書を時系列順に整理する
  • 文書をスキャナで読み取りPDF化する
  • 文書をword形式のファイルに起こす

 文書を整理し,スキャンして画像データにするだけでなく,文字列データにすることでその後の利便性を高めます. 文書に記された文字には震災当時の慌ただしさを感じさせるものが多く, それを人の眼で読み取り書き起こす作業は困難を極めましたが, 19日から21日の3日間でデジタル化した文書は

   約2319枚  に上りました.


活動日程

1日目

1日目の写真
  • 被災地(陸前高田市)の視察
  • 防災科学技術研究所の方からプロジェクトに関するレクチャ

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2日目

2日目の写真
  • 行政文書の時系列整理(2319枚)
  • 文書のスキャナによるPDF化
  • 文書のWord形式ファイルへの書き起こし

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3日目

3日目の写真
  • PDF化の完了
  • 文書のWord形式ファイルへの書き起こし

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4日目

4日目の写真
  • 文書のWord形式ファイルへの書き起こし完了(2319枚)

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5日目

5日目の写真
  • プロジェクトの総括
  • カッパ淵の観光

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活動レポート〜感想(一部抜粋)〜

 津波を受けた被災地の様子を見るため津波により多大な被害を被った陸前高田市の沿岸部へ車で向かいました。 遠野市や陸前高田市の内陸部は街並みや道路が整備され緑あふれる美しいところでした。 しかし津波が及んだ場所に入った途端にその景観が一変しました。 先ほどまでの美しい自然とは打って変わってそこには殺伐としたがれきと荒廃した土地が広がっていました。 ニュースでは見ていましたがここまで何もない状態になっているとは思っていませんでした。 本当に積み上げられたがれき以外道路が走っているだけで何もない一帯が広がっていました。

 初日は岩手県陸前高田市の視察を行いました。 事前に現地の状況などはニュースなどで知っているつもりでした。 しかし、現地を見て「百聞は一見に如かず」とはまさにこのことだと思いました。 言葉を失いました。 たくさんの廃車が一か所に集められており、まるで墓場とも言えるような場所や がれきや廃材がビルの3,4階くらいの高さに積み上げられ、それが何百メートルも連なっていて 山のような黒々としたものが至る所にあり、それ以外は何もない、そのような光景を目の当たりにしました。 あまりにすごい光景だったので 津波によってこうなったのだとはすんなり受け入れることができませんでした。 しかし、足元をみると生活感のある毛布や料理器具、また小さい子供がこれで遊んでいたのだろうと思われるぬいぐるみなどが落ちていたりしました。 そのような生活感あるようなものが逆にこの場にはふさわしくないように思えてしまいました。(応用化学修士1年)

陸前高田市の中心街だった場所を車で回り、途中車から降りて自分の足でがれきの山の間を歩きました。 そこから「奇跡の一本松」に向かいました。 奇跡の一本松は海岸線に約2キロにわたって続く高田松原に約7万本あった松のうち1本だけ残った松のことであり、 陸前高田市の震災復興のシンボルになっているようでした。 奇跡の一本松までは3〜4メートルはあるがれきの山の間を自衛隊の方々が片付けた道を歩きました。 がれきの山から異臭が漂い、たくさんのハエが飛び回っていました。がれきの山以外は何もないという印象でした。 言葉で聞くよりもテレビで見るよりも圧倒的に悲惨な景色が目の前にありました。 震災から4カ月たって未だにこの状況なので、震災直後は片づけられていないがれきや遺体が散乱している状況だったはずで、 ただただ亡くなった方々へのご冥福を祈るばかりでした。(物性物理)

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