情報技術、バイオテクノロジー、新素材などの先端技術の飛躍的な発展とともに、21世紀初め に先進諸国は「超産業社会」の段階を迎えるものと予想されています。ここにおいて、人々は技 術の恩恵の下で新たな可能性を手に入れる一方で、地球環境の悪化や技術をめぐる国家間の対立 に悩まされることが懸念されます。また遺伝子操作のような、人間の根幹に関わる技術の出現に よって、科学技術と人間の軋轢が深刻化する可能性もあります。
このような問題は、単に科学技術の開発を行うだけで解決できるものではありません。問題の解決 には、科学技術と人間社会のインターフェースをうまく設計し運用することが肝要です。私たちは、 このインターフェースに位置する文化や科学技術を対象とする学問領域を切り拓くため、「社会理工 学研究科」を設立致しました。
社会理工学の理念は、超産業社会が内包する問題群を理論的に定式化し、これらを解決する具体的手 段を提供すること、そしてこの学問を身につけた学生を社会に送り出し、人間と科学技術が調和した 社会の創出に寄与することにあります。
社会理工学という学問領域の確立と、斬新な教育体制の実現は、これまでの科学技術の分野で卓越した 成果を挙げてきた東京工業大学、理工系総合大学としての発展を期するための、歴史的な試みとなるで しょう。
この研究科は、本学の大綱化と大学院重点化を同時に実現したもので、平成8年度に大岡山キャンパス
に設立されました。
本研究科の教員の学部教育における役割は、以下のとおりです。
本研究科を紹介するパンフレットを作成いたしました。
パンフレット ダウンロード[PDF]