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パネルディスカッション

テーマ

  1. 「災害ソリューション実践」を通じて学んだこと・考えたこと
  2. これからの復旧には何が必要か
  3. 東工大生だから出来ること

テーマ2:これからの復興には何が必要か

三松

 私の専門は建築学なんですけど、主に地震の制御のための構造について学んでいて、 簡単に言うと揺れを小さくするための方法を学んでいます。 将来は人々の安全を守る構造設計をしていきたいと思って設計してきたのですが、 今回例えば陸前高田に行って津波に耐えている建物とかありますが、 結局海水をかぶってしまうと、もう全然使えない状況になってしまうこととか、 周りがなくなってしまえばそこに一人で住むこともできないです。 そこで、ハードな安全面だけでなく、もう少しソフトの面を、建築を先行する身としては考えて行かないといけないと強く感じました。
 それと、津波が到達したかどうかで無事だったところと、大丈夫じゃないところがはっきり分かれていて、 それがすぐそばに近接してるというのが津波被害の特徴だと思うのですけど、 それでそこに住む住民間の感情の摩擦っていうものも生まれますし、 結局一部が津波被害を受けてしまえば町全体が建物が残っていても違うものになってしまう。 震災後の石巻など見て感じました。

桑子

 岸田さんも街づくりとか学ばれているようですが。

岸田

 今の話を聞いていてちょっと本條さんのロジカルシンキングという話とつながったなと思っています。 現地に行ってみて地元の人の顔が見れるように分かるようになったというのがすごい大きいなと思っていて、 技術的なものだと数値だけになってしまうと思うのですけど、 その数値で本当に大丈夫かっていうよりも、 現地の人の顔を思い浮かべて考えることによってまた何か変わってくるのではないかな という風に私自身は感じました。

桑子

 他どうですか。

中村

 今テーマとしては自然災害に科学技術がどのように対するかという枠になっていると思うのですけど、 今回の活動を通じて私なりに感じたことがあります。 震災を通じて感じたこととしては、技術では適わない大きなパワーを自然は持っているということです。 「この堤防を立てたらこのくらいの津波は防げる」といった、今まで培ってきた技術のことはもちろん信用していただきたいと思うんです。 ただ、その根底として、技術を利用する上で心に持っておいて欲しいこととして、 「自然には適わない。自然に対抗するというよりは、 自分たちは自然と一緒に生きていて、その上で技術を有効に活用していかないといけない」ということです。 このような視点を技術者もそれを利用する人も、みんなが持っていれば、またこの震災に対する考え方とか、 技術をどう使うかとか、そういったことに変化が現れるんじゃないかなと感じました。

桑子

 話(動画)の中にも津波は自然の一部だからそれと一緒に生きていかないといけないと いうのがありましたが、そういうリスクがあっても素晴らしいところなので住みたい というのがありましたが、日本という場所がそういう災害のリスクと常に関わって行けないところ で中村君の言ったように技術というものも進めながら、 克服できないようなものもあるということを意識して暮らしていく、 リスクと共にある幸福というのを考えていかなければならないと思います。 棚田君どうですか 。

棚田

 中村さんと桑子先生の意見に同意なのですが、 もうひとつ加えるならば技術に対するそこに住む住民の認識です。 技術に対して住民の認識はどの程度及んでいるのか、 そういうのをすり合わせる機会があれば、こういう技術があるから大丈夫だそういうのを住みながら考えることができる。 そういう共同体があるといいと思います。 例えば自治体に科学技術の方をお呼びしてお話しいただくといったようなのがあればいいのかな。 それがあれば地元の方も自分たちでリスクを管理する、 こういう技術があるけどこういうリスクが残されているからって考えることができる。

桑子

 今回津波で各人が津波から自分を守ると言ったものがありましたけど、 そういうのをやっていくということですか。

棚田

昔からやっている震災に対する対応というのを色褪せないように受け継いでで行くというのも 大事だと思います。

技術は万能でなく、自然と生きていく上でリスクを認識することが必要
技術の理解を高める機会があれば、各自でリスクを管理することができる

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