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パネルディスカッション

テーマ

  1. 「災害ソリューション実践」を通じて学んだこと・考えたこと
  2. これからの復旧には何が必要か
  3. 東工大生だから出来ること

テーマ3:東工大生だからできること

本條

 今の話に付け加えたいんですが、 棚田さんがおっしゃったのは現地の人が技術に対してどのように考えているかという、 現地の人が意識することでリスクに備えるという話、 そして岸田さんがおっしゃったのは現地の人の顔が見えるようになったから、 技術を運用する側は何をすればいいかといういう話。 ここでもう一つ忘れてはいけないのは現地の人たちは技術の運営者に何を望んでいるのかっていう、 ニーズをいかに発掘するかという話で、これが残っています。
 これについては先ほど藤坂(聴衆の学生)さんが話したエピソードを聞き出したところがおもしろいと思っていて、 東工大のビブスを着ていたら、「君たち東工大の学生でしょ」と話しかけれれたことがきっかけで技術の話をされたということで、 そういうニーズ発掘の仕方があるというのはすごく新鮮で興味深かった。 現地でボランティアの方とかニーズ発掘に苦労している方もいて、 ニーズ発掘っていうのは現地の人とただ面と向かって話すってだけじゃなくて、 自分たちが何者であるかというのを明らかにしながら、自分たちの専門性を発揮しながら、 それに興味を持った人たちを引き寄せてきてニーズを発掘するということに自然とつながるのかなって、 現地の人が技術を運営している人に対して何を望んでいるのかっていうのをどうやって 捉えるかが一つ考えるテーマじゃないかと思いました。

桑子

 3番目のテーマ東工大生として何ができるかに移行しつつありますね。 どうですか。東工大生だからできること東工大に期待されること、何か感じたことありますか。

中村

 東工大生には限らないのですが技術系の学生について。 棚田さんがおっしゃったように技術を互いに理解できるような共同体が必要だということ、 岸田さんがおっしゃったように技術者が現地の人のことを考えるということ、 本條さんがおっしゃったように現地の人のニーズをいかに把握するかということ、 この3つをまとめ上げるのが実は学生じゃないかなと私は思っています。
 例えば今回短編映画を作ったわけですけど、 制作する中で現地の人に技術に興味を持っていただいた。 撮影機器についてどうやって撮影するのかとか、撮影した映像を見るためにはどうしたら良いのかとか、 そういうことは学生に対して聞きやすいと思います。 企業の人に対してだと厳しいこと言われるのではないかとか、専門的なことを言われるのではないかとかが あると思うのですが、学生との間にはそのような壁がない。 そういった意味でお互いに技術の理解をしあえると思うんです。
 岸田さんは技術者が現地の人のことを考えることが必要だとおっしゃいましたが、 学生は社会人の一歩手前の立場にあり、これから社会人として出ていくわけで、 いざ社会に出る前に今回のような活動を経験をして、 実際に現場に行って物事を考えられる事は、非常に重要であり、将来的には実質的な効果があるのかなと思います。 本條さんのおっしゃったニーズの発掘に関しても、 きっと東工大っていう学生だったから話しかけたのではないかなと思います。

桑子

 なるほど。坪川さん、どうですか東工大の学生と生活されて。

坪川

 ワークショップを拝見していると学生と地元の方々の距離は非常に近いと感じました。 それは社会人が関わるよりはずっと親しみが持ちやすいんじゃないかと思います。 それは良いことと思います。 私は学生が持っている特権は結構あって、その特権は活かすべきと思います。 今、地域復興委員なんてのがあって、偉い有名な先生が来てるのですけど、 そういう方が復興計画の主役ではなくて復興の主役は地域の方ですよね。 他は全部脇役裏方であるべきなのだから、 その意味で学生にはもっと前に出てもらって復興活動の中心になっていただきたい。 それがいいんじゃないですかね。

桑子

 私も始め、理系の学生はコミュニケーションが下手で 学生の活動大丈夫かなって心配していたんですけど、現地で学生どうですかって聞いてみて 全然大丈夫だったようです。

東工大生は技術と現地の人を繋ぐための”特権”をたくさん持っている
それを十分に活かして、活動の中心となっていくべきだ

聴衆の感想や意見

聴衆(一般)

 理数系とは関係ない一般人なんですけど、こういう報告会すごく興味があります。 今回はちょっとお手伝いをしていて、せっかくなので来てみようと思って、 このような報告会をもうちょっと外部に発信するような感じにして一般の人ももっと入れたりしたら 面白いのではないかなと思いました。
 僕なんかも大学いってなかった人間なんで中々入りずらいのが正直なところです。 友達つれてこようと思っても、連れてきて良いのかなっていうのも感じもしたので。 色々な人にこのような事を聞いてもらえたら面白いのかなって、次があればそのようにやればいいかなと。 内容もそうですが、このような技術や、良いアイデアがここで終わるのではなく、 ここと被災地であったり、繋げるところがないといけないんじゃないかな、 そういうのは国のシステムに近いところにいる人じゃないとできないかなと思います。 いい意見だったり面白い意見があったところをそれをどうやって実現するかというところ、 お金を出すところ、国だったりにちゃんと繋げてあげないといけないんじゃないかな。 それがないと結局ここで話をして終わっちゃうよね。 今後に繋げることができれば良い話なので、ちゃんと国が考えて、「こうしていこうよ」っていうのが できるんじゃないかな思いました。

遊橋氏(NTTドコモモバイル社会研究所)

 今回学生さんたちの活動現地になじんで随分評価もよかった。 もうすでに学生のアイデアがウェブにのってますが、 そういったのをアイデアセットみたいにしていろんなとこに提案していくのも一つありなんじゃないかなと思いました。 桑子先生もいろんなところに出ていらっしゃるので、 もうひと頑張り繋いでみようっていうのをやっていただければいいんじゃないかと思います。

中井教授(社会工学専攻)

 答えを出してそれでいいんだということになると駄目で、 実は答えっていうのはある意味仮の答えで、この時点で皆さんがいろいろ話し合って決めたということでして、 そのあとも考え続けるってことが大事なんだなと。 皆さんいい経験されたということで、 ぜひこれからも継続的に被災地への寄り添いを続けて頂けたら、 皆さんの専門の中でこれからどうしたらいいかということを考えて頂けたら良いかと思います。

篠崎氏(NTTドコモモバイル社会研究所)

 これからやっていかないといけないことが大きく2つあると思います。 一つはもちろん現地の復興復旧にどう取り組んでいくか、 もうひとつはこれから起こるであろう関東、東南海地震にどう備えるか。 被害をゼロにすることはできないと思います。 一つでも多くの命、施設、自然を守るにはどうすべきかということをしっかり考えていかないといけないと思います。

飯島教授

 これだけで終わりにするのではなくてこれからも発信していくこと。 それから学生だからできることもあるという良いアイデアもいただきましたので、 これからも研究科として被災地に寄り添っていきたいと思います。 人々を幸せにするというのが技術に役割だと思っていますので、 そういったことを肝に銘じながら研究教育に励んで生きたいと思います。

考えたことを形にする仕組みが必要
これからも継続して、次のアクションに繋げて行くことが大切

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